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「煙が目にしみる」の感想文
 面白い!
本当に面白かった。心の底から笑った。その笑いは決して露骨でなく、ほのぼのとした笑いであった。
いいものを見た喜びと嬉しさでいっぱいだった。やっぱり生の(なま)の舞台はいいと思う。
いきなり死者二人の登場でアレ!と思い、続いて斎場の管理人役の神戸浩さんの独得のセリフまわしが私を嬉しくさせた。
この笑いはさりげない台詞から生まれ、すべてにおいて成る程ナルホドとひとつひとつうなずける笑いであった。
神戸浩さんは山田洋次監督作品に数多く出演されており、その独得な発声と台詞まわしには定評がある。
一度本物に出会いたいという私の気持ちが通じて本当に嬉しくなった。
意外な物語の展開にワクワクしながら人の世の不思議さに見入った。
加藤健一さんのおばあちゃんにグイグイと引き込まれ面白さに見とれていた。
出演されたひとりひとりに無駄がなく、自分の役を一生懸命演じている役者さんがそこにいる。素晴らしい劇団だと思う。
舞台装置の桜の木がドーンと中心にあって、とても美しくキレイに見えたのは私だけではあるまいと思う。
いいお芝居が見れた春の夜でした。
   巻雲 渡辺 宏
大いに笑ってしまった
 知人の葬儀に参列した。若くして亡くなった彼の遺族達の泣き震える姿を見てしまった。
そして今回の舞台。斎場で彼も長旅の良き相棒にめぐりあえていたかな?舞台の様に会話をかわしていたのだろうか?などと思う。
それにしても、元気ではっきりした物言いのおばあちゃん。
白装束の二人がそんな少しボケかけた(?)おばあちゃんにだけ見えるなんて、愉快な話である。
イタコを演じる(?)おばあちゃん。亡き人達は遺族に言い遺しておきたい事がいろいろとある事だろう。
斎場でこんなコメディー展開されるとは!斎場を舞台に大いに笑ってしまった。
やっぱり加藤健一のおばあちゃんはおもしろい。
また、山田洋次さんの映画によく出演されている神戸浩さんも何とも言えないキャラクターで笑いを誘う。
   ダイアナT 杉岡圭子
際立つ舞台
 基礎がしっかりとしている新築の香りも新しい家をみているような、細部にこめられた若々しい演技は品の良い清潔感を漂わせ、舞台を引きしめていました。 名作とは違って身近に体験してきたお葬式前後の悲喜こもごもが深く工夫され演出効果も際立って見えました。
桜の開花も間近い今日このごろ桜の下でねむる両親知人への想いが新たに思い出された一夜でした。
 合掌
     紅いバラ S.S
思いがつまった舞台
 笑い、涙、出会いと別れ。たくさんの思いがつまった舞台だったと思います。
そして、自分の言葉が届かない悔しさを感じました。
いるのにいない、霊ってそんなものかなと思いました。
私の周りにも、見えないけれど誰かに声を聞いてほしい人がいるのかな、と考えさせられた作品でした。
     高校生 女子 
《劇評》
満開の桜が美しかった。
「煙が目にしみる」はまさに、目に心にしみる作品でした。
身近な友人や家族を突然亡くされ、物語と同じような経験をされた方にはつらい物語。
それを、ボケ始めたおばあちゃんが霊媒師となり、死者と生者を取り次ぐというアイデアで、明るく、コミカルで、ユーモラスな話に変えてしまいます。
加藤健一はすばらしい声で、元気なおばあちゃんを演じてくれました。
演出もすばらしく、カーテンコールまで盛りあがりました。
人は身近な家族でさえ、真に分り合えているのだろうか、それは難しいことで、でもそれは大事なことなんだ。
物語は教えてくれたように思います。
突然「別れの時」が来たとしても、悔いが残らぬようにしたい等、いろいろな事を見つめ直すことができた作品でした。
  幹事 阿部
    

バックナンバー 「髪結新三」の感想文


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