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第117回例会

     2012年 4月 3日(火)  場所:今治市中央公民館
     開演6:30  開場6:00
      劇団 民藝
     『静かな落日』
     −広津家三代−
      作=吉永仁郎 
      演出=高橋清祐
      出演 伊藤孝雄 樫山文枝 
 
 思わずこぼれる笑い、知らず知らずのうちにあふれる涙、心にしみるセリフの数々。祖父と父と娘・作家三代のおかしな家族の近景をユーモラスに描き出した、評伝劇の名手・吉永仁郎の傑作戯曲です。
 松川裁判にペン一本で挑む広津和郎とその娘・桃子。
 家族をむすぶ不器用で深い愛情、そして和郎の友人・志賀直哉と宇野浩二との男の友情を描きながら、家族のあり方、人間の生き方、そして人が真実にむかっていく姿勢を凛として浮かびあがらせます。
 樫山文枝と伊藤孝雄のコンビで新境地を開いた心に残る美しい舞台。
 どんな事があってもめげずに、忍耐強く、執念深く、みだりに悲観もせず、楽観もせず、生きとおしていく。忘れられた文学者・広津和郎のことばが、いま鮮やかによみがえります。

 下山事件、三鷹事件と国鉄にかかわる怪事件がつづく1949年。8月17日午前3時ごろ、福島県の松川付近で列車が転覆、多くの死傷者を出した松川事件。
 事件発生から政府は、国鉄労組員ら数人を容疑者として検挙、第一審で死刑4人をふくむ重い判決が言いわたされた。この裁判の不当さ、非人間性をかぎとった広津和郎は、友人の作家宇野浩二とともに、のこる人生をかけて娘桃子と裁判記録にとりくみ、ペンを武器にたたかいつづけた。
 63年、ついに最高裁の最終無罪判決が出る。この作品には先輩の志賀直哉も登場、広津和郎が父柳浪からうけついだ反骨精神、娘桃子に託した作家魂がほんとうの人間的なやさしさとともに鮮烈に浮かびあがる。


 ★あらすじ★
1949年、福島県松川を突然襲った列車転覆の大事件。通称「松川事件」。

 容疑者二十名が第一審で死刑を含む有罪判決となった。しかし不当な罪に問われた被告たちを救うため、広津和郎は娘桃子とともに裁判記録にとり組み、ペン一本で戦い続け、1963年に無罪を勝ち取った。
 父・広津和郎を十年以上支え続けた娘・桃子も、以前は父に対し不信感や憤りを抱いていた。しかし病気になっても闘い続ける父に信頼と尊敬をよせるようになる。
 家族を結ぶ深い愛情、和郎の友人・志賀直哉と宇野浩二との友情、家族の在り方、人間の生き方、人が真実に向かっていく姿勢を凛として浮かび上がらせます。


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「静かな落日」感想ページ
『静かな落日』こぼれ話

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