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第153回例会

    2020年 9月 24日(木)
    場所:今治市公会堂

     開演6:30  開場6:00
     トム・プロジェクト
     百枚目の写真

     
    作・演出:ふたくち つよし
    出演:大西多摩恵、浅井伸治、滝沢花野、
        斉藤美友季、向井康起、原口健太郎
   
   







 この困難かつ不透明な時代に、今尚、戦争の文字が日常から消えることはない。
 日本にとっても永遠の課題でもある。戦争が引き起こした悲劇をテーマに様々な表現を通じて反戦の運動が繰り返されてきた。演劇も然り。原作「一銭五厘たちの横丁」は1975年に児玉隆也著、桑原甲子雄写真で出版され話題になった本である。
 「一銭五厘」とは、当時召集令状の葉書が一銭五厘だったことに拠る。
 たった一銭五厘の薄っぺらな葉書一枚で、東京の人情豊かな下町から夫や息子が戦場に消えていき、残された家族の生活が変貌していく姿を写真とルポタージュで克明に記された本のなかに、平凡な生活の中に庶民のかけがえのない家族の絆、体温を感じさせられる。
 人間の営みを凝視続けてきた、ふたくちつよしが平和への願いを込めてお贈りする物語。


 昭和四十九年春、ルポライター児玉は九十九枚の写真を手に、東京の下町をさまよい歩いていた。それは、三十年前、のちに写真家となる桑原甲子雄がシャッターを切った氏名不詳の家族写真??かつて、一銭五厘の赤紙で戦場に送られた兵士たちのもとへ届けるため、そして彼らの戦意高揚のために撮られた写真である。
 児玉は、下町に暮らす住人たちのおぼろげな記憶の糸を頼りに、その家族たちをやっとの思いで捜し当てて行く。酒屋、金物屋、蝋燭屋…それぞれの営みの中でさまざまな戦後が刻み込まれていた。旅の途中で児玉は、出征した兵士の母と妻、娘が暮らす家にたどり着く。
 敗戦への坂を転がり始めた昭和十八年、そして高度成長を遂げつつあった昭和四十年代 の下町を舞台に、九十九枚の写真に焼き付けられた氏名不詳の人々の愛と哀しみの物語。

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