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感想文集=会員の皆さんの感想文です

「三人吉三巴白浪」の感想文

理不尽で納得できない
 どうも、おとせ達を吉三らの身代わりに殺してしまうシーンは、理不尽で納得出来ない。
 兄としての彼らへの深い思いやりという事ではあるようだけれども。
 交流会に藤川矢之輔さん、山崎杏佳さん、益城宏さんの三名が参加されて、舞台裏が垣間見えたり、シェイクスピアの様に、 台詞の中に、劇の解説を織り込んだりと鎖国状態なのに共通部分があるなどのうん蓄が、あれこれ聞けた。 また、おとせらが最後に身につけていた斑模様(ぶちもよう)の襦袢は、双子で結ばれた事で「犬畜生」を表現しているそうだ。
 今回客席からの「オモダカヤ!」「ザキヤ!」とタイミングの良い声が飛んでいた。聞けば、益城さんらの声だという。上手いはず。
  益城さんからの伝言。以前、今治おやこ劇場で「とびだすエンピツ」で公演。前日エアコンをつけたままだったので、声がでなく申し訳ない事をしたとの事。 ミュージカルなのに声が出てないと私も記憶している。
    ダイアナ(一) 杉岡圭子

お芝居の世界に誘われて
 幼い頃、祖母に連れられて観にいったお芝居の世界に誘われて、不思議な時の流れの中でうっとりする時を過ごしました。 文語の流暢なリズムある言葉に引き込まれ、歌舞伎(?)の魅力にすっかり心を奪われてしまいました。 運命のいたずらに翻弄されながらも、人情の機微にふれ、三人の吉三が固い絆で結ばれていく経緯が もつれた糸がほどけていくようで ごく自然に理解できました。 日本人の「心のふるさと」という深い思いに触れたようでした。
    黄金  風花

良かったです。
 落ち着きと風格のある品のよい作品だと感じました。できれば梅雀さんに出演して貰いたかったです、が〜よ良かったです。
    紅いバラ 杉原 節子

とても楽しく観ました 
 主役は人殺しの大泥棒達ですが、聞けば聞くほど彼らにも悲しい訳がある…・・との話の展開にひき込まれ、 百両という大金が、人を喜ばせたり、悲しませたりすることも納得させられます。立ち回りはコマ送りの映画のように感じ、セリフの間には三味線が流れ、 さながら、和製ミュージカルのようでした。
    ほととぎす 遠山孝子

今回、初めての参加です。
 とても感動的でした。次回も、ぜひ寄せて下さいませ。ありがとうございました。
    ばら 砂田 久子

一番面白かったです。
 一つ一つの場面が、とても素敵でした。今までの前進座の舞台の中で一番面白かったです。歌舞伎特有の表現の仕方も、とてもしゃれていると思いました。 江戸時代に書かれたものでしょうけど、悪人といわれる人の心に寄り添って、つくられている作者の視点や、人間像が浮き彫りにされて、 それが人間の心理をついていることも、感心させられました。演じ方が丁寧で役者さんの真剣さが伝わってきました。 ただ ふたごの兄妹が、殺される場面が腑のに落ちませんでした。
    ほととぎす 窪田 順子

ストーリーに感激
 「はまさきや」「おおさかや」のかけ声に、何度振り向いたことか。その生の声に感激。 また、登場人物の動きに合わせてでる舞台右からの独特の音に、閉じかかった目が開く。 今回は、あまり興味のない、知らない分野のお芝居であったが、ストーリーがすばらしい。 サスペンスや推理ドラマの大好きな私は、いつのまにか頭の中で、現代風にアレンジしていた。 いつもそうであるが、観てよかったと思う場面は最後である。今回も三人吉三が並んだ最後に感動した。
    黄金  Y・T

初めての歌舞伎で
  物語の流れはシンプルでテンポもゆっくりだが、初めての歌舞伎でかまえて観てしまって、良くわからなかった。 しかし、朝の搬入を手伝い、開演になり、舞台装置のすばらしさには息をのんだ、アッという間に変われる舞台。 本当にすばらしかった。市民劇場に入ってまだ間がなく、これからどの作品が観たいというより、なんでも観たいという所である、これからもいい作品をよろしくお願いします。
    土  十亀 厚子

舞台がとてもきれいでした。テンポよく楽しくみせてもらいました。
    女 五十五歳

ラストの大切(おおきり)の場面で
 鳥肌が立つような、そしてぞくぞくするような感動を覚えたのは私だけだろうか。 とても素晴らしい舞台でした。幕が上がったとたん、誰もいないのに大きい拍手が起こった。あまりにも見事な美しい舞台装置に息を飲んだ。 これまでにも「日暮町風土記」や「罠」のセットに感心させられて スゴイ!スゴイ!を連発していたのだけれど、毎回絵画を見るようなセットは楽しみであった。そして、プラス何回舞台が変わったのだろうか。 たった一回きりの公演だのに こんなにたびたび舞台が変わるということは廻り舞台のない公会堂ではさぞ大変だろうと頭の下がる思いであった。 特に最初と最後の装置には圧倒された。また、「月もおぼろに-----」「聞かれて名乗るもおこがましいが」とか「こいつぁ---春から---」 などの耳なじみのセリフにごきげんになったり、伏線がそこここに仕組まれた物語の運びに思わずニンマリしたりして 「これぞお芝居!」と、とてもゴキゲンな夜となった。百両の大金が登場人物をめぐりめぐって最後に名刀庚申丸とともにめでたく 元の持ち主におさまる筋書きは、アメリカ映画「運命の響宴」でタキシードがさまざまな登場人物を経て、 ラストでかかしの服となることを思い出して外国と日本の違いを見たようで懐かしかった。 生演奏もよかった。舞台装置も抜群!前進座のチームワークのよさに感動しながら「これぞ日本の伝統芸能だ!」を実感した夜でした。
    巻雲  渡辺 宏

【劇評】
三人吉三巴白浪

 「月も朧に白浪の------」名セリフが今も耳に残ります。
 今回 生粋の江戸作者、河竹黙阿弥の「三人吉三巴白浪」でした。 昨夏の「魚屋宗五郎」は、黙阿弥晩年の作品とのことです。歌舞伎ファン待望の前進座公演は期待通り華やかで存分に楽しむことができました。 変化に富んだ舞台の局面とその多彩さ、七五調の格調高いセリフの数々、テンポのはやい対話の魅力、さわやかさ等々、若手の洗練された演技に感動いたしました。 はじめ物語が交錯してわかりにくかったが次第に劇中に引き込まれていきました。声も後席までよく聞こえました。 終演後化粧を落とし衣装を脱いだ役者さん達は会員と一緒になって大道具や小道具を軽々と運んでいました。
 一方出演者の代表三人と交流会を持つことができました、「和尚吉三」の藤川矢之輔、「釜谷武兵衛」役の益城宏、「夜鷹おとせ」の山崎杏佳の三人が出席してくれました。 お芝居の苦労話しや観客の反応など食事をしながら本当に楽しく交歓することができました。 今治の会員さんは大事なところで大きな拍手をいただけるので役者はノリでやりやすく力一杯張り切ることができると言っていました。 歌舞伎はあまり好きでないと思っている方も京都南座へのツアーも実施しています。そういう機会にぜひ参加されて興味を 深められてはいかがでしょうか。
    碧  新居田


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