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「キュリー夫人」の感想文
さすが黒柳徹子さん!
 70才代に入られたという年令が全く本当なのだろうかと思う演技。笑いのツボも心得ての演出。
 テレビの「徹子の部屋」や、ユニセフ大使などのご活躍をとっただけでも、すでに、目を見張るばかりなのにろうあ者の劇団を主宰されたり、本業!?の女優として独特キャラクターで演じられている姿に、まず敬服してしまう。
 それにしても、堅いイメージの物理学者が何とユーモラスで、お茶目で人間味あふれている事だろう!
 キュリー夫人の愛情の豊かさにも心が暖まる。意表をつく鮮やかな実験シーンや、かまをかき混ぜるキュリー夫人の動きに、音がピッタリと合っていたり、一体どんな仕かけになっているんだろうと、まるでマジックでも観る思い。
 カーテンコールで黒柳さんが「この拍手は私へではなく、私以外のスタッフ・キャストのみなさんへの拍手」と、キュリー夫人が二度目のノーベル賞受賞時に、会場いっぱいの拍手を押しとどめて、「今のすばらしい拍手は私へではなく、亡き夫への拍手であったと、そう信じさせて下さい」と挨拶。そのパロディーだったのだろうか?最後の最後まで楽しませて頂いた舞台だ
  ダイアナ(T) 杉岡圭子
キュリー夫人・・・
 伝記を読んだ記憶はあるが・‥何を発明、いや発見した人だったかな?と当日まで思い出せないままでいた。
 マリーとピエールが恋に落ちるまでが面白かったと思う。実験で日々苦労を重ねていた事は良くわかったが、何を見つけるために実験しているのか、わかり辛くなってきてしまった。そんなところへ「ラジ、、、ラジウム!!」のセリフ。そうか・‥ラジウムを発見したのがキュリー夫妻か・・・やっと思い出した。
 黒柳さんはテレビで見るよりも、はるかにお若く、ハツラツとされていた
  碧 真部 
上質の笑い
 
一口に喜劇といってもその種類はさまざまである。今日のお芝居は腹をかかえて大笑いするような喜劇ではなく、非常にソフトな上質の笑いというものだろうか。
 戦後間もなく輸入され上映されたアメリカ映画に「キュリー夫人」があった。グリア・ガースンという俳優が夫人役で夫には当時二人は名コンビといわれたウォルター・ピジョンが扮していた。名作であった。
 何といっても、クライマックスはあのラジウムが闇夜にさんぜんと輝く場面で、白黒画面ながら大いに感動した。
 確かアカデミー賞でも主演女優賞に輝いたような気がする。(記憶違いかも知れないが妙に印象深い)
 そんなこんなを思い出しながら見た今日のお芝居はとにかく出演者の一生懸命さが前面に押し出た非常に意気込みのある作品であった。
 出演された俳優の皆さんが、そして裏で支える多くの方々がいいお芝居をしようと努力された作品だということがうなづけられた。
 真実の中の笑いか、笑いの中の真実か。とにかく非凡な人々の人世をお芝居の中に充分生かしていたことに感心させられた。
 出演者みんな個性があって素晴らしかったけれど、ジョルジェット・ロベールという女中役を演じた守川くるみさんという役者さんの存在がとても大きく感じられたのは私だけだろうか。
 桜咲く春の素敵な夜でした。
  巻雲 渡辺宏

(グリア・ガースンは「ミニヴァー夫人」で第15回アカデミー主演女優賞をとっています。)
敬服しました
 黒柳徹子さんの存在感の大きさには見事に単調な舞台を盛りあげて、その底力の強さに敬服しました。
 練りこまれた構成は落着いたゆるぎない風格を備えた完成度の高い作品として受けとめることができました。
 最後のカーテンコールでざっくばらんに応える黒柳さんの教養の深さに、徹子の部屋の一ファンとしても募金箱に心をこめました。
  紅いバラ 杉原節子
見に来て良かった
 夫婦愛やキュリー夫人の研究に対する情熱がとても伝わり素晴らしかったと思います。
 笑いなどの様々な要素も含まれており、こちら側としても大変楽しませていただくことができました。
 黒柳さんが主役とのことで好奇心で見に行ったのですが、そうでなくとも見に来て良かったと思います。
  エメラルド 阿部真子
大好きな徹子さん。
 毎日ほとんど出るテレビ番組、画面からみる興味津々の子供の様な徹子さんの姿。
 さて、舞台も同じでした、とんとん飛んではねて、衣装もすてき。楽しい舞台でした
 また、今治へ来て下さい。
  土 夏風
喜劇と断った意味納得。
難しい物理とかの講義を聴く事も無く、笑わせて頂きました。皆様の熱演でその人となりもよく分かり楽しかったです。
  瀬音 瀬野久美子
《劇評》
 「キュリー夫人」は、まさに「黒柳徹子」であった。
「キュリー夫人」を観たというより、「黒柳徹子」を観たという感じである。
 黒柳さんはエネルギッシュで若々しく、その声も良く通って、私たちを魅了してくれた。
 有名な伝記「キュリー夫人」ではあるが、当時のパリには変質者が出たとか、 あの放射能の発見はポルノ写真を現像するアルバイトのおかげだったり、ラジュームの発見はお手伝いさんの助言がきっかけだったり、真実かどうかはわからないが愉快になる。
 実験室の舞台らしく、理科の実験がナマで行われ、とても面白かった。
  しかし「その場しのぎの男たち」「缶詰」と秀作の喜劇が続いたため、「キュリー夫人」の喜劇さは少し薄れてしまったかもしれない。暗転が多く、間延びしたし、ストーリーにインパクトが無かった感は否めない。
 また、黒柳さんの「マリー」がしっかり演じられているのに、「ピエール」が物足りない感じだった。
 若き学者(金儲けには興味の無い、学者肌の頭の堅い青年)が奔放なマリーとの出会いで、しだいに変わって行く姿がもっと観たかった。
 それから、上演時間3時間は長すぎるという意見があった。
 確かにスポーツでは、野球やサッカー・バスケットも約2時間だし、映画も今は2時間が主流。
 エンターテインメントは2時間の時代かもしれない。
 それにしても、最後の黒柳さんの話は面白かった。あの話術がナマで聞けただけでありがたくなった。
 もっと多くの人に聞かせてあげたかった。 
  エメラルド 阿部

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