心に深く響いてくる舞台 あぁ、また戦争の暗い舞台かいなと思ったのは、最初の一瞬で、すぐ平淑恵の見事な演技力もあり、ぐいぐいとなかにし礼の実体験の物語の中に入っていった。 戦争のおろかさ、それでも強くたくましく生きていこうとする、人間のすばらしさ。心に深く響いてくる、すばらしい舞台であった。 キャメル 十亀 |
焦点が合ってない 少し冗漫だったように思う。 映画を既に観ていたので、スクリーンの印象と比べてしまったので、私的には退屈が先に立った。 沢山、エピソードを盛り込み過ぎではないだろうか。 映画と比べては申し訳ないが、もう少し映画の方が的をしぼって焦点が合っていたように思う。 匿名さん(女性) |
愛のテーマに見応え 席が最後部で、セリフがとても聞きにくかったせいもあると思うのですが、初めの部分、劇の中に入り込むことができにくく、船や列車の中という設定がわかりにくかったです。 しかし、だんだん劇中世界に引き込まれ、戦前の満州国で起こった事、そこで生きた人間の思いを感じることができた。 一瞬にして自分達を守ってくれる筈のものが崩れ去る、紙幣がただの紙切れになるという動乱の時代に、いつの時代にも変わることない愛のテーマが織り込まれていて、見応えがありました。 ほととぎす 窪田順子 |
涙が一つになった舞台 市民劇場に入会してから、日が浅いものですから、文学座の舞台ははじめてでした。 演劇界の頂点に立つ文学座は、さすが何かが違うどこがどうと表現するには、風評を見聞きしすぎて潜在意識に動かされていはしまいかと自問自答してみるのですが、いやそうではない息をのむ、咳もはばかる緊迫感、静かで、繊細な演技はいつもとは違う、鳴りやまない拍手の音が重く、その格調の高さを認識させられたのは、私一人ではないと思います。 決して、風化させてはならない愚かしい戦争の悲惨さを“赤い月”を通して社会に訴えて欲しい、戦争を知らない若者や子供達の世代に・・・・。 満州に徴兵されていた亡父が掘り炬燵の中で、夜毎話してくれた思い出なども重なって、熱いものがこみあげてきました。最後に舞台で涙を流した、平淑恵さんの演者の涙と、隣に座す引揚者である友人の涙が一つになったすばらしい舞台でした。 赤いバラ 杉原節子 |
亡き母を思った 映画「赤い月」のシーンとダブらせながらの観賞でした。 映画にない迫力のあるシーンが、あの止まった舞台の中で次々転換してゆく様は、思わず演出家は誰だろうと思った。 脚本もなかにし礼となれば、映画と違ったすごみがある言葉が生まれたのだろう。 〈生きる〉というすごさ〈生きていく〉という重み、最後の波子の叫びともとれる言葉が心に残った。 そして、戦争を生きぬいてきた亡き母を思った。 何も語らなかったけれど、母も又あの時代を力強く生きてきた一人だったのだろう。 今の私には?・・・〈ない〉。 かきくけこ 須藤哲子 |
列車の場面は素晴らしい 気がついたら三時間経っていた。そんな感じのお芝居が、グイグイ見る私達を引きつける素晴らしい作品だった。 この物語は、映画化もされていたので、見る機会もあったが、どちらもよかった。舞台では、いろいろな制約があるのだけれどそこを工夫して、見る者たちを納得させ引き込もうとする努力と意気込みがすごい。 特に、満州を走る列車が、発着をする場面での効果は素晴らしい。 まさに主人公の波瀾万丈を象徴するかのような列車の出現と感じたのは私だけだろうか。 出演された方々のひとりひとりが一生けんめいで、見る者の心を打つ。 自分の、体調がいまひとつの日に鑑賞したのだけれど、おしまいまで芝居の世界に引き込まれていた自分があった。 出来ることならば、体調の良い時にもう一度じっくり味わってみたい作品のひとつであった。 すばらしい舞台ありがとうございました。 巻雲 渡辺 宏 |
パワーに感動 久しぶりに生のお芝居を観ました。しかも、一番前での鑑賞だったので、役者さんの息遣いまで聞こえてきたのには驚きです。 また、ミュージカル以外では、少人数の舞台しか観たことがなかったので、あれだけの人が舞台の上で一丸となってモノをつくりあげるパワーに感動しました。 お話自体は、前知識として知っていましたが、ドラマと舞台とでは印象が違いますね。舞台のほうが、想像力がかきたてられる気がします。 ハピネス やまだ |
一層深く楽しめた 暗い時代を扱っているのに生命力に溢れ、満足度の高い良い作品だと思います。搬入に関わって、一層深く楽しめたと思います。 パンジー 檜垣恭子 |
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