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「竜馬の妻とその夫と愛人」の感想文
 竜馬はどこにもいない
 竜馬の死後、その面影を求めてさまようおりょうの哀憐が切々と胸をうつ。
 四人の演者の見事な息と、その巧みな演出はテンポの早い笑いの中で真実を浮き彫りにして、混乱期不遇の目にあったとはいえ、おりょうは同じ生き方しかできなかったのではないだろうか。真実の愛、竜馬への哀切に。
 ポロポロになりながら、『竜馬はどこにも居ない』と叫ぶおりょうの姿に胸うたれました。
 現代社会の失われた世相に一片の花びらのように美しい大切なものを語りかけてくれました。
      紅いバラ 杉原節子
愛しあってるかい
 オーイエー、のってるかい。RCサクセションの20年以上前のライブの完全販「ラプソディー・ネイキッド」というCDが発売されたので、それを聡きながら書いています。
 「竜馬の妻とその夫と愛人」はとてもノッテル舞台でした。出演者は四人でとても纏まっていて楽しめました。
 さすが三谷幸喜、東京ヴォードヴィルショー。
 前述のRCサクセツョンのポーカリストはライブで必ず観客に「愛しあってるかい」と呼びかけます。
 しかし竜馬は死んでしまっているので、おりょうは竜馬と愛し合うことはできません。現在の夫とは物理的に愛し合うことはできますが、愛しきれずその良心の呵責から家を出て行ってしまいます。
 愛するこいうことは比較的容易ですが、愛し合うということは非常に難しく、それ故にとても貴重なことです。
 それにしても頼りなく情けない役をやらせたら平田満氏は抜群に上手いと感じました。
      天馬船 渡部 
 私は竜馬と同じ誕生日
 ロビー交流会で、あめくみちこさんが、講演当日の11月14日が誕生日だと聞いて、思わず「私は、明日(11月15日)竜馬と同じ誕生日です」と発言してしまった。
 そんな訳で、竜馬は私にとって以前から親近感のある存在であった。竜馬は誕生日と命日が同じ日という珍しい人でもある。
 東京ヴォードヴィルショーと三谷幸喜と言えば「その場しのぎの男たち」を観ているので、今回も楽しみにしていた。
 期待通りのおかしくて哀しい舞台であった。大いに笑わせてもらった。
 あめくみちこさんのおりょうはとても艶やかだった。龍馬の死後のおりょうについてはあまり知らなかったが、松兵衛との再婚は架空
だろうと思っていた。しかし今回当時擁した人物の中で虎蔵だけが実在しないという。
 覚兵衛、おりょう、虎蔵たちは、本当に竜馬をとことん愛していたことがよく伝わってきた。実に面白い舞台であった。
    ダイアナ(1) 杉岡圭子
 おかしくてちょっと哀しい
 今回の作品は、NHKの歴史番組で坂本竜馬の妻おりょうのその後を紹介していたのを観ていたので、三吉幸喜さんがどのような場を作っているのか大変興味がありました。
 おりょうのような男から男へ渡り歩く女は、あの当時は到底世間の受け入れてもらえない存在であったでしょう。
 しかし最愛の男を亡くして心の痛手を紛らす行為であって、決して自分の気持ちを満足しているものではない。そんな哀しい女をあめくみちこさんが妖しく美しく演じられていました。
 佐藤B作さんの覚兵衛はスピードのあるコミカルな演技。松兵衛のひょうひょうとしたお人好しの男にぴったりの平日満さん。坂本竜馬のクローンになりたい虎蔵の佐度稔さん。 四人の息が合っておかしくてちょっと哀しい芝居を楽しませてもらいました。
 エンディングのしびれ薬を竜馬の死ぬ前日に飲ませたという松兵衛に覚兵衛が首に手をかけるところで芝居が終わるのは、三谷さん流の「ちょっと毒を一盛り」の演出ではないかと思いました。
 四名の出演者全員出席の交流会に親しみを感じました。宿舎に向けて夜の歩道を花束を手に帰られる四人の後ろ姿を偶然目にして「楽しかったですよ。あすは竜馬の命日、松山の公演がんばって!」と声をかけたかったです。
     みなみ いたわき
 俺生きてるから
 作者の三谷幸喜さんの芝居に対する意欲が場面のすべてに感じられる素晴らしい作品でした。
 お芝居が始まる前から蝉の音。ラストではヒグラシと演出の細かいところまでの気配りが嬉しい。
 ラストの場面で、おりょうが「竜馬が切られて私も死んだのよ」と言ったのに対し、松兵衛が「俺はたしかに竜馬じゃない。竜馬にはかなわないけれども、一つだけ勝つものがある。俺生きてるから、俺生きてるからお前(おりょう)の背中がかゆい時かいてもやれる。熱の高い時おかゆをたいてやれる。ー緒に泣くことも出来る。絶対待つ。俺生きてるから生きてる限りお前を待つ」と言った。すばらしい感動のラストだった。涙が出そうになった。
 すごく早口のセリフがあるかと思えば、じっくりと語るような場面があったり、その都度楽しく観させてもらった。映画にもなったこの作品、もう一度お芝居の興奮をビデオで楽しんでみたいと思う。
 それにしても出演された四人の俳優さんたち芸達者やねえ!寒い夜の帰りも気分ほポカポカでした。いいものありがとう。
      巻雲 渡辺 宏
 子猫は生きてる
 昨日可愛がっていた野良猫を亡くしたばかりで、舞台でのドタバタ喜劇をよそに思いはつのるばかり。
 一度は劇場を去ろうかと思いました。けれど、ラストの松兵衛のセリフに救われた気がしました。「竜馬は死んだけど、私は生きている!」その猫には子猫がいて、その子は生きているから。その猫の名前は、ラ・ヴィー。「人生」です。最後まで観て良かったです。
      匿名(女性)
 楽しく観られる市民劇場に
 駐車場の心配あり。
 パイプ椅子を後ろ二席のけるといい。
 みんなが楽しく観られる市民劇場でありたい。会員だけを集めればいいという問題ではない。
           匿名
 すごく面白かった
 すごく面白かったです。演劇でもこういうのがあるんですね。
           匿名 

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