久しぶりに落涙。 井上ひさしのユーモアと、今回の演出がぴったりマッチ。主演の二人だけの迫力ある演技に圧倒された。 中高校生だけでなく小学校高学年にも見せたかった作品だ。 今後の長期上演を全国的にくり広げてほしい。 まだまだ 羽賀 |
「父と暮せば」とても感動しました。改めて原爆の恐ろしさ、心の傷の深さを思い知らされて、大変衝撃を受けました。 また、現代社会では淡々としがちな親子関係もこのお芝居の中ではドロドロしていて、亡くなった父がゆえに、愛しい娘の将来や戸惑う恋心をきづかい必死で真正面から受け止め、父と娘が激しくぶつかり合いながらも、お互いの気持ちを深く理解し合い、娘が前向きな気持ちに変わっていく姿に大変感動しました。 娘の恋文を勝手に読んで、娘の本心に気付き悲観的になっている娘の気持ちを必死で立ち直らせようとする父の深い愛情。 父と娘の細かい気持ちの表現力が、切なくて、悲しくて、とても暖かくて、優しくて・・・。 素敵なお芝居を本当に有難うございました!! ゆうやけこやけ 田中けいこ |
話のところどころに笑いが入っていてとてもおもしろいのに原爆や原爆病の恐ろしさ、また二人の親子の絆がえがかれていてとても感動しました。 ソワニエ 村上拓海 (招待生徒) |
よかったと思います。毎回良かったです。質の高い舞台にはそれなりの費用がかかります。「システムの見直しを」 女優はいっぱいいっぱいの感じだったので起伏を感じさせてくれたらもっと良かった。 かんひろし |
雷鳴で始まった1時間30分の短いお芝居。 開幕で、主人公の父親竹造と娘の美津江が押入れの中で交わすセリフのやりとりが楽しい。セットの押入れもよく工夫されていた。 1977年7月にもこのお芝居は市民劇場で上演されている。確かに見たと思うのだけれど記憶が全然ない。どなたが出演されていたのかも不明! 先日お亡くなりになった名優の原田芳雄さんと若かった宮沢りえさんが出演された映画版が家にあったので観劇日の当日ビデオで観ておいた。 映画版では木下青年を浅野忠信さんが演じているが、舞台版には木下青年は登場しない。 辻萬長さんの父親は本当にすばらしかった。当り役というのはこういうときのことなのだろう!すごい俳優さんもおられるものだと思った。 辻さんはこれまでの市民劇場の舞台でもお目にかかっている方だのに、今回は特別の人のようだと思った。 発声も動きも全て素晴らしく堂々としている。 このような方を相手に演じられた栗田桃子さんも大変だったろうがいい方とご一緒出来てよかったことでしょう。 特に印象が深かったのは広島の一寸法師のくだり。この場面は圧巻!辻さんの役者魂というか野球で言えば一球入魂といったところだろうか! また、全編親子で交わす広島弁がすばらしかった。 第三幕では、小道具の時計が8時15分で止まっていて、気配りの細やかさが感じられた。 美津江の木下さんへの気持ちがだんだん変化していく様子が、お芝居の進行につれて描かれていく井上ひさしさんの原作のすばらしさと出演された俳優さんの努力の結晶を垣間見てありがたさを感じた秋の夜でした。 ありがとうございました。 巻雲 渡辺宏 |
私達は先の震災で、テレビに映し出される津波の想像だにできないそのすさまじい光景を、目の当たりにしました。 今回、震災の後に観たこのお芝居から強烈なメッセージを多くの方が受け取られたことでしょう。 それは、あの時あの場で津波に会われた方々を今回のお芝居に重ねあわせることができたからです。 突然奪われる平穏な生活。生死の境が手を伸ばした指の先に有りました。自分だけが生き残ったという罪悪感。まさにあの原爆が炸裂した瞬間から始まったこの物語そのものでした。 あの津波の中でどれだけの数の無慈悲な物語が有ったことでしょう。 ある人は崖を這い上がるさなか、すぐ後ろの遅れた母親が波に呑まれ、ある人は二人抱き合っていたのに子だけが波に流されていった。そんな話を耳にする時、私は共に涙することしか何も出来ませんでした。 自分を犠牲にして助けてくれたみんなが、 「生きてちょんだいよー」そう叫んでいる。 「幸せになりなさい」と叫んでいる。 明日何が起こるか分からない。突然の不幸に打ちひしがれる時も有るでしょう。しかしこの井上ひさし氏のメッセージを思い出そう。そして必ず立ち上がろう。 「ありがとありました」と。 そして、主人公のようにひとり悩み苦しむ人があれば、この物語の話をし、「あなたはひとりじゃない。」と言ってあげよう、あの幽霊の父親のように。 幹事 阿部 |
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