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感想文集=会員の皆さんの感想文です

「うかうか三十ちょろちょろ四十・約束」の感想文
 人形劇は、初めてだったのでどうなのかなと思い見させてもらいました。一番感心したのは、人形の動きが見ている私に、これ本当に人形に感情が入っているのにビックリしました。
 テレビでもそうですが見ていて心から笑えたり、ホロッときたりする物に出会えた時、時間が止まった様な感動を味わうことがあります。
 市民劇場に入会してまだ日も浅い私ですが、いい劇に出会えた時の喜びでは何物にも替えられない宝物の様に思えます。
 これからもたくさんの感動を味わえればと思います。
 人形劇団プークの皆さん、素晴らしい劇を有難うございました。

   T.Tさん

 今回初めて事前セミナーに出かけて、人形劇団プークの製作・演出家の井上幸子さんから色々な話が聞けて、ますます公演が楽しみになりました。
 人形は顔の表情が変わらないのに、使い手の声と所作で命を与えられ生き生きとしてきます。
 「約束」では中年の月の輪熊が「マニュアル、マニュアル・・・マニュアルがない。」とか「責任をとらされてしまう」という所で現代社会の風刺が利いていて笑ってしまいました。
 「うかうか三十、ちょろちょろ四十」では、正気を失った村の殿さまが、村中の病人を訪ねては、気の病だと親切のつもりでぬか喜びをさせてしまう。良かれと思ってした事でも内容によっては、相手に取り返しのつかないダメージを与えてしまうというのが怖いと感じました。
 「ちか」の娘「れい」が一人になっても村の人達にささえられ、たくましく生きていてホッとしました。又、舞台の演出が、ほのぼのとした村の風景が浮かぶようで、よかったです。

    ばら 鴨川京子

 私は人形劇がとても好きです。
 今年もプークがきて胸わくわくで望みました。
 やっぱりいいなあ!!あの人形を人間が動かしていること、不思議がたまらない。
 生みの人間にはない表情とか・・・
 話の内容も今回は二つともども素晴らしい人、井上ひさし、田辺聖子というので期待していましたが・・・期待していた通りで・・・別世界の創造の中でした。
 人形を扱うのはやはり、熟練した人ならではの人形の動きで、思わず心の中で拍手でした。(人形劇ならでは・・・)
 プークさんありがとうございました。又、新しい物があれば是非楽しみにしていますのでよろしく!!

    やより のうちゃん


 人形劇団プークの公演を見たのは、今回で三度目である。
第一回は「金壺親父恋達引」と「カチカチ山」、第二回は「牡丹燈籠」で、人形劇が子供向けというイメージを完全に打ち破った、見事な大作であった。
 そして今回の第三回目、第一部現代版イソップ「約束」は狼と狐の目を見張るその対決は圧巻でした。また、鳴りものを演奏した方の、すごい語り口と演奏ぶりを目の当たりにして、世の中にはこんなすごい方がいるものだと感心した。
 第二部「うかうか三十、ちょろちょろ四十」、幕が開いたら、まっ暗な舞台に光輝く色とりどりの風車が美しい。その数は二十を超えていたと思う。この人形劇団はいつも何か新しさを求めて絶えず何か新しい発見を見つけだしている。舞台進行の様々な場面でそれがよく感じられるのだ。だから観客は、絶対に飽きない。物語は殿さまと村娘「ちか」とのかなわぬ恋の物語であったが、思いもよらない出来事が次から次へと展開し、寝たきりの夫が殿さまお抱えの名医のおかげで、病気が治ったりして意外な方向に話が進んでいく。展開の面白さに時間の経過を忘れている自分を感じました。
 常に新しさを求めていくということは、劇団それぞれの宿命なのかもしれませんが、例えば人形の後ろにいる劇団の方々が観客に見える演出は、生の声や仕草など納得のいくその姿が感じられて、とてもすごいと思います。
 ラストで再びきれいな かざぐるま(風車)が舞台いっぱいに輝く。
 ラストでホッと我に返った時「ああ、こんなの見られてよかったーア」と思うすてきな夜でした。ありがとうございました。

      巻雲 渡辺 宏


 気のやさしい殿様と村の美しい娘の物語
 村の美しい娘に恋した殿様はあっさり娘にふられます。殿様だから娘の意思にかかわらず、自分のものにするわけでもなく、悲しみのあまり正気を失います。この時期が うかうかの三十代
 正気を失った殿様は、自分は医者だと名乗り、村の病人を看ては「病ではない」と安心させて喜ぶ生活をしていました。恋した娘の亭主をいつものように「病ではない」と喜ばせたが、うそと分かると落胆のあまり死なせてしまいます。この時期が ちょろちょろの四十代
 正気を取り戻した殿様が、あの恋した娘の娘に出会い、三十代四十代の自分をふり返ります。殿様には遊びでも領民には命がけ、欲を持たず平凡な幸せを望む娘は、殿様にはまぶしかった。
 殿様の台詞「正気で死にたい。」が心に残ります。正気とは真実に目覚めてという意味でしょうか。
 物事を見つめる目、心、その本質を解く素養。フラフラ60才になろういう私も「正気で死にたい!」と強く共感させられました。
 この不思議な世界観は お人形にしか出し得ない世界。
 美しい桜の花の下、夢の中のような舞台でした。

   エメラルド 阿部


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