砦という題名が西部劇のようなイメージがあった。しかし、約2時間のお芝居がアッという間に終わってしまった。主演の村井國夫さんは大阪で見たミュージカル「レ・ミゼラブル」以来の舞台でいつまでも全力投球する姿に今回も大拍手! また藤田弓子さんの幕開きの老婆から中年女性への早変わりに役者の魂を見せられた思いでした。スゴイ役者さんだと思った。 戦後の日本が抱える社会問題をテーマに次々と繰りひろげられる問題に立ち上がった日本人の生き様が目の前で繰りひろげられている。改めて日本の公共事業への取り組みが大きい社会問題となっていたことを呼び覚ましてもらった。5人の出演者の皆さんの熱演が観ている私たちの心をゆさぶっていく、約2時間がアッという間にすぎていった。 戦後の日本が抱えた社会問題を5人の出演者がグイグイと見るものを引きずっていく。それは他人事ではなく日本人ひとりひとりの問題としてこのお芝居を通して語りたかったのではないでしょうか? 必ずしもハッピーエンドとはならなくても、一生懸命努力した人々が日本にいたことを私たちは忘れてはいけない。いいものを今回も見せていただきありがとうございました。 巻雲 渡辺 宏 |
少ない出演者で、このような壮大で迫力のある舞台を創り上げるとは、「素晴らしい」の一言です。藤田弓子さんの声が良く通って美しかったこともとても印象深かったです。 ブロッサム Nさん |
最初はみんなが、お祭り騒ぎのように力を合わせようとするけれど、いろいろなしがらみや疲れから、少しずつ離れていきます。続けるということがいかに大変か。 次の世代に繋げたいすばらしいお芝居でした。 ゆうゆう Aさん |
砦のセットがすごかった。高い場所からの芝居がとても説得力があった。村井圀夫さんの迫力もすごかった。 石蕗 Kさん |
流れ下る激流のような、迫力とエネルギー満点の舞台でした。 たった一人国家と戦った男とそれを支えた妻の生きざま、人生を見事に演じきった。村井國夫と藤田弓子、その他の登場人物を全力疾走で演じた3人のわき役たち。 私は、カーテンコールが終わり、席を立った瞬間に、「これが生の舞台だ!」と叫んでいました。 この舞台を創り上げた役者さんたちと作・演出家、参加されたすべてのスタッフに大きな拍手を送ります。特に村井國夫さんの演技は圧巻でした。先の舞台「王女メディア」の平幹二朗の「静」に対して、勝るとも劣らぬ村井國夫の「動」と言える名舞台でしょう。 今までにない新しい演劇の始まりを見た瞬間でした。最高でした!! エメラルド 阿部 |
多数の利便性や安全性のためには、土地に根づく少数者の「想い」や「意見」は無視すべしという法律と権力。つい見過ごされてしまうその理不尽さに、人生最後の力を振り絞り抵抗し続けた室原知幸氏。それを支え続けた妻ヨシさん。公共事業推進に一石を投じたその行動に、深い敬意と感謝を捧げます。私は、力んだ演出はあまり好みませんが、それでもこの人々の「想い」と「行動」には、この演出なのかなと思いました。あの舞台を振り返るほどに、心の底から力をもらえる作品と気付きました。作・演出の東憲司さん、少数精鋭の座組みでこの芝居を今治に届けてくださったトム・プロジェクトさんと5人の俳優さん、スタッフの皆さんに、あらためて感謝申し上げます。 ゆうやけこやけ H・K |
舞台づくりのスゴさに圧倒される。多彩の照明と音響が醸し出す舞台はまさにダム建設予定地に築かれた闘争のシンボル「砦」さながらであった。 十三年間にわたったダム反対闘争を主役村井國夫、藤田弓子さん以外の俳優(原口、浅井、滝沢さんたち)が何役もスピーディにこなして舞台を成立させ物語の経過を表現していた。まさにプロデュース公演だからこそ出来た舞台かもしれない。 愚直までにダム反対闘争を貫いた室原知幸そしてひたすら夫を支えた室原ヨシの恨みを秘めた夫婦の絆には胸をうたれた。 改めて戦後日本の公共事業の在り方について考えさせられた。 最後にヨシが水没するわが家を出て行くリユックを背負ったシーンそして4カ月前に亡くなった夫知幸が現れ世界に一つしない、赤地に白丸の旗を妻から受け取り、渾身の力をこめて振る場面は強烈な印象を残した。 ねむの木 沖濱 |
砦」良かったです。この闘争について知りませんでした。県や国に対して砦を築いて闘争するところや家族の気持ちも細かく描かれていて気持ちが入りました。ひとりで何役もやっていて役者は、凄いと思いました。後生まで伝えていかなければいけない作品です。 ユープケッチャ 松田澄子 |
バックナンバー | 「三婆」の感想文 |