直線上に配置
感想文集=会員の皆さんの感想文です

「滝沢家の内乱」の感想文
 
 芝居の始めはこれはいったい何なんだ?と思った。あの有名な滝沢馬琴が随分と苦しんでるじゃないか、本当の話しなのか?と。息子の宗伯は本当にしんどそうだった。
二人の役者の力で二時間余っての長い時間、観客をあきさせずに引張りつづける(引きつけておく)のは、スゴイこと。
出演の二人とも姓が加藤だが血のつながりがあるのだろうか?

    ゆうやけこやけ S・S

  
  加藤健一さんと加藤忍さんが親子ではないと知ってびっくりした。お二人とも聞いている私達にわかりやすい話し方でよかったです。
病弱な夫と気むづかしい舅につかえながら家を守っていくお路がけなげでした。
 ロビー交流会で健一さんが70歳と聞いてなんて若々しいと驚きました。「舞台には神様が降りてくる瞬間がある。
 テレビや映画では感じられないのです。」と以前のロビー交流会で言っておられました。本人曰く、ポジティブな性格も若さの秘訣と思いました。見ごたえのある作品に出合えて幸せでした。

     ばら K・K


 それぞれの場面の表現力が素晴らしく舞台に引き込まれていった。声だけの出演者にも存在感があり、二人で芝居しているとは思えなかった。
 滝沢馬琴という名前しか知らなかったが、その本を読みたくなった。

     ほととぎす 窪田

  馬琴は生真面目で理想家肌すぎた。だから息子を神経質でひ弱な人間にしてしまい、妻には下駄屋の商売に取り組んでみたいという夢をあきらめさせてしまった。二人を病人にしたのは馬琴だった。そんなマイナス面と反対に、小説家として明確な理想像はブレなかった。だから勧善微悪のスカッとする世界「八犬伝」を28年間にわたって生き生きと描き続けることが出来たのだと思う。
 日本では初めて著作業だけで飯の食えたのが曲亭馬琴その人だった。それでも薬を作ったり、果物を作ったり工夫をして初めて生活が成り立ったのだから、当時の印税というか執筆料は安かったのだろう。お路が徐々に大人になって馬琴の「八犬伝」を手伝おうという過程がうまく演じられていた。  お路を見つめることで時間の経過がわかりやすかった。

     ゆうやけこやけ H・K        


バックナンバー 「銀の滴降る降るまわりにの感想文


トップページへもどる

直線上に配置