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感想文集=会員の皆さんの感想文です

「北へんろ」の感想文
劇団のみなさんの熱意がすごく伝わってきました。 

       ばら   M・O
  
  自分も天災に二度遭い二度失業し故郷へ帰ってきました。多くの人の助けで今何とか生きています。でも、いつまた災害に遭うかも知れないという漠然とした不安はあります。戦争、津波、原発事故で人生の歯車が狂ってしまった人々、中でも命を失った人たちの無念は、自分にも少しは解ります。 
 この芝居が一人でも多くの人に観られ、自分のごととして戦争、天災、原発事故を想像できる人が増えてほしいと思いました。

     ゆうやけこやけ  苅田晴仁

 「へんろ」と名がついていたので岩手県にも風習があるのかなあと劇を観ていました。あれ?と思うようなシーンがあとになって解る。
 最後にはすべてが繋がる。俳優座ならではの役への取り組みと演技力が光り、すばらしい見応えのある劇でした。
 このようにすぐそばで肌で感じ共鳴できる市民劇場が大好きです。  

      千代の会   R・O
 東日本大震災の被災地を訪れた日を思い出しました。
 海岸のかつて家が建ち並んでいた土地に礎石だけが残り、ひまわりが数本花を咲かせていました。十年たった今、人はお互いに絆を大切にたくましく生きていってほしいと願うばかりです。
 少女ジュンの民謡がいつまでも耳に残っています。  

         まだまだ  原田晴霞

  ジュンちゃんの歌声がとてもきれいですばらしく、これならグランプリ優勝もなっとくだな、と
   (もちろん芝居の中の架空の賞でしょうが 笑)聞き入りました。
 狭い旅館というスペースの中でも動きが大きく多く、飽きることなく楽しめました。個人的には不倫男さんの動きがボツでした。笑 
 その上で、お遍路さんと先生が二人で静かに話し合うシーン。動きがある訳でもないのに、とても見入ってしまいました。
 それだけの力がありました。
 舞台装着も、旅館が崩れるところなど迫力があり、終幕まであっという間でした。お話し自体も珍しい、あまりない形のもので、面白かったです。

          巻雲  H・T
 地震、津波、原発、戦争 ―― 無残にも人の生命を奪ってゆく。生き残った人々に、いえ、亡霊と化した人々にまで、地獄の悲しみを与える。
 女主人とその夫との年齢差に違和感を覚えつつ、清和館でくり広げられる東北なまりの会話に耳を傾ける。
 果たして、そこが “ゆうれい旅館 ”?!って気づいた瞬間、私の背筋が凍る。
 劇中のジュンの素晴らしい民謡の唄声に聞きほれる。
 エンディング、加藤佳男さんのごあいさつに熱いものがこみあげた。

      ひまわりU  杉岡圭子
 人間が “生きる! ”ということや、 “死後の魂はどうなるのだろうか?”また “途方もない災害に直面したとき、自分はどう思うだろうか? ”とか、いろいろ考えさせられました。役者さんのセリフの迫力が素晴らしかったです。出演者の最後の挨拶も胸にしみました。       
 ほととぎす
  何か節目の様な感じを持ちつつ、観せていただきました。なかなか理解がむつかしかった所もありました。 

         ばら
 じゅんの歌声がすてきだった。
    
        ばら   K・K
  私は本格的な演劇を鑑賞する事が今回初めてでした。
 色々鑑賞されている方々からすれば当たり前の事かもしれませんが、開幕前から波の音を流し、徐々に舞台が始まっていくその空間を音響でつくる事に新鮮さを感じました。照明についても映画のように大事な場面をアップにするような簡単な切り替えが舞台上ではできない分、見てほしい場所、物を照明で示唆したり、明暗をはっきり分ける事で観客の目線を誘導しているのがとても興味深かったです。
 そういった裏方の方の作業と演者の方の一発勝負という緊張感の中であの空間が生まれている事を初めて知る事ができました。
 
    ゆうやけこやけ  鈴木菜水
  最初は普通の世界の話と思いつつ、話が進むにつれ少しずつ違和感を感じていましたが、後半あたりから震災後成仏できない人達が集まった旅館だと理解できました。迫力ある舞台に引き込まれていきました。
 最後にはそれぞれが新たな場所を見つけ成仏することができ、安心しました。
 ジュンの透明感のある声で歌う民謡がまだ耳に残っています。
 一緒に観劇した友人は「亡くなった人への思いはどうしたらいいか?自分はどう生きたらいいのか?」と考えると話していました。
 私も魂を身近に感じる気がします。十三年前に他界した父を思い、仏壇に手を合わせました。   

     オレンジスィート 神野


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