![]() 2004年 5月13日(木) 場所:今治市公会堂 開演6:30 開場6:00 地人会 『雁の寺』 作=水上 勉 演出=木村光一 訳=岡田正子 出演 金内喜久夫/高橋恵子/嵐広也
|
あらすじ |
昭和八年のある日、京都の禅寺孤峯庵本堂で、若狭(福井県)の貧しい村から口べらしのために仏門に入れられた十四歳の少年(嵐広也)のための儀式が行われた。 与えられた名は慈念。厳しい禅の教えを彼に叩きこむ老住職の慈海(金内喜久夫)は深い禅の奥儀を具えた男だが、女性との快楽にも目のない男である。 寺の本堂の仏像の背後には絢爛たる襖絵が輝き、沢山の雁が描かれていた。慈念はそのなかの母と子の雁の姿をなぜか常に吸い寄せられるように眺めていた。 過酷な日常の修行のある日、慈念は法事に訪れた美しい女性に強く心の動揺を覚えた。それはかつて雁の襖の絵を描いて死んだ画家に囲われていた元祇園の芸者里子(高橋惠子)であった。 彼女はその夜の老住職の巧みな口説と、将来の不安な生活への思いもあってか、やがてその寺に住み込むようになる。 少年慈念の心はなぜか激しくふるえた。とともに老僧に対する憎悪の念も高まった。それは彼の孤独からか、この世界の理不尽への怒りか。美しく母性的な里子への奥知れぬ思慕か。 ある日、里子は貧村に生み捨てられた盲女の子であるという慈念の出生の秘密を知った。生母を知らぬ少年の本名は捨吉。自らも貧しい生活を送ってきた里子は、彼の孤独に強い慈愛を覚え始めた。 喜びを隠しながらもおびえる慈念。ある夜里子は強い衝動にかられて彼を抱きしめた。 ――やがて、この寺に恐ろしい事件への予感が生じる。 老僧慈海の突然の行方不明である。…… |
関連記事 | 朝日マリオン.コム |
View Point |
☆☆ 今後のラインナップ ☆☆ |
![]() トップページへもどる |