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最新例会紹介

第89回例会

     2007年7月12日(木)  場所:今治市公会堂
     開演6:30  開場6:00
     木山事務所
     『壁の中の妖精』
     作・演出:福田善之
     作曲:上田亮
     
     出演:春風ひとみ

     紀伊國屋演劇賞・個人賞のダブル受賞に輝く

     春風ひとみが、一人で語り、歌い、踊る、感動の2時間!


 スペイン戦争後の30年間(1939〜69)、アンダルシアの小さな村の床屋で素朴な社会主義者の夫は、フランコ独裁政権による処刑をまぬがれるため、自宅の壁の中で隠れて過ごした。その彼を支え励まし続けた妻と娘の赤裸々な姿を描いている。激しい政治の季節の中で、勇気と楽天性をもって生き抜いた家族愛のものがたり。

 衝撃的な史実の記録(フレーザー著「壁に隠れて」長谷川四郎訳)をもとに、福田善之が書下ろし演出した渾身の舞台は、一編の透明な大人のメルヘンに昇華する・・・


あらすじ

(一幕)
舞台写真1.娘・マリアの話
 自分が幼い頃−4〜5才の頃の記憶を語る。卵の行商に出掛けた母の留守の夜のこと、どこからか歌声が聞こえてきた。マリアは、その声に語りかけた。「あなたは妖精?」。妖精は、マリアに「十二月の物語」の歌を教える。

2.妻・フリアーナの話
  共和国とフランコ軍の戦争が、1939年に共和国側の敗北で終って、床屋で村長だった夫・マノーロも村へ帰ってきた。が、マノーロは、地主たちから憎まれているので、見つかったら殺される危険があった。白首をするというマノーロに、妻・フリアーナは反対した。マノーロは玄関脇の煉瓦でふさいだ隙間に隠れた。フリアーナの考えは正しく、マノーロの前の村長は逮捕され、銃殺された。フリアーナは、卵の行商を始める。自分の留守中、捜索隊に踏み込まれ夫が捕まるのではないかという不安の中で、妊娠し、マリアが生まれる。行商の他に、エスパルトという草を紐に編んだものを売ることを始める。政府に禁止されている闇商売である。警官に見つからないために、エスパルトを乾燥する裏庭のある家が必要となり、引越しすることになった。
3.娘・マリアの話  
 「十二月の話」の続きを語る。シルエットで精霊たちの踊る姿が浮び上がる。

(二幕)
4.妻・フリアーナの語

 マノーロの戦友が訪ねてくる。スペイン戦争で共に戦った思い出を語る。そして、「ワルシャワ労働歌」を歌い始める。隠れ場所で戦友の話を聞くうち、耐え切れずに一緒に歌い出したマノーロに、フリアーナは胸の中で必死に「止めて!」と叫んだが、戦友がその歌声に気づいた。万事休す。その時ドアが開いて、娘のマリアの大きな歌声が飛び込んできて救われた。
舞台写真5.娘・マリアの話
 妖精が父だとわかったマリアに、フリアーナは「このことが知れたら、父は殺され、私たちは牢屋に入れられる。」と繰り返し言い聞かせた。マリアが大きくなって、ボーイフレンドが訪ねてくるようになると、マノーロは焼き餅を焼いた。マリアがいきなりその若者に抱きつかれた時、ふいに彼の体が重くなり、床に倒れた。マノーロがこん棒を手に立っていたのだ。しばらくたって、筋向いのシルベストルと親しくなり、結婚した。結婚式の当日、祝福の踊りの輪の中から家の中に駆け戻り、ウェディング姿を隠れ部屋のマノーロに見せるのだった。

6.妻・フリアーナ、そして娘・マリアの語
 マノーロが隠れてから30年が過ぎた。大赦がおり、治安警備隊本部にその許可をもらうため、フリアーナと婿のシルベストルの肩にすがり、固い舗装道路をおぼっかなげに歩き出す。もう64才になっていた。風の強いある晩、マリアは娘を寝かしつけ外出し、戻ってくると、娘が「ワルシャワ労働歌」を歌っていた……。

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